コラム
2023/11/15
人工芝に下地はなぜ必要?下地の重要性や素材の種類、下地の作り方を解説

「人工芝を敷く際に下地は必要なの?」「下地の種類には何がある?」「下地の作り方を知りたい」このような疑問やニーズを抱いている方は多いのではないでしょうか?下地作りは自分でもできるのか、不安を持っている方もいるでしょう。
本記事では、人工芝の下地が重要な理由や主な下地素材の種類、人工芝を敷く場所別に下地の作り方を解説します。人工芝を敷きたいけど下地作りに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
人工芝の下地が重要な理由
人工芝の下地は、以下のような理由があり重要です。
- 下地の作り方は水はけに影響する
- 下地を正しく作ることで長持ちする
- 下地が安定することでゆがみにくくなる
下地を丁寧に作ることで、人工芝の良さを最大限引き出せます。まずは下地の重要性を理解していただき、丁寧な下地を作る参考にしてみてください。
下地の作り方は水はけに影響する
下地の作り方によって、人工芝の水はけの状態が変わってきます。とくに下地が凸凹の状態だと、水はけが悪くなるので平らに作るよう注意が必要です。水はけが悪いと、湿気がたまりやすくカビの発生原因にもなります。
水はけのいい人工芝を敷いたとしても、下地の作り方が悪いと水はけの効果を十分に発揮できません。水はけのいい状態を作るためには、丁寧な下地作りが最低条件です。
人工芝の水はけについては、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:「人工芝の水捌け」って大丈夫?!
下地を正しく作ることで長持ちする
下地を固めず柔らかいままで作業を進めると、人工芝も不安定でズレやゆがみの原因になります。人工芝が不安定だと、水はけが悪くなるだけでなく、ズレやすい状況で摩擦が増え、寿命を短くするかもしれません。
人工芝がズレていくと、芝生と下地の間に隙間が生まれます。先ほどの凸凹の状態と同様、隙間は湿気や虫発生のリスクを高め、経年劣化しやすくなります。人工芝を長持ちさせるためには、敷設前の下地の段階から丁寧に作ることが重要です。
下地が安定することでゆがみにくくなる
下地が安定しないと、人工芝を固定するためのピンがぐらつくため、人工芝自体もぐらついてしまいます。ぐらつきやすい状態で人工芝の上を歩くとさらに不安定になり、ゆがんだりシワになったりします。
ゆがみやシワは隙間を生み、見た目が悪くなったり、雑草が生えやすくなったりするので、人工芝における安定した下地づくりは、重要な工程です。人工芝がゆがむと、付け直しが必要になる場合もあるので、最初の段階で丁寧に下地を作りましょう。
人工芝の下地で使う素材の種類
人工芝の下地で使う素材には、以下のような種類があります。
- 砕石
- 山砂
- 真砂土
- 川砂
- 砂利
- コンクリート
それぞれの特徴やデメリットなどを紹介しているので、下地を選ぶ際の参考にしてください。それぞれの詳細を見ていきましょう。
砕石
砕石は、大きな石をクラッシャーで砕き人工的に作ったものです。砕いたときにできるゴツゴツした角が特徴的でサイズもバラバラです。一つひとつのサイズは異なりますが、圧をかけたときに石同士が噛み合い、下地が安定します。
砕石は規格でサイズ分けされており、DIYで下地をつくる際によく利用される大きさは「0-40」という規格です。細かい砂状のものから40mmのサイズまで含まれており、透水性が高く凸凹しないため、下地に適しています。
山砂
山砂は、火山から吹き出された岩石が細かくなり、砂状になったものです。粘土のような砂粒から大きめの砂粒などが混ざった状態で販売されています。群馬県の桐生砂や、富士山の富士砂がよく売られています。
排水性と保水性の両方を兼ね備えており、雨が降って濡れてもドロドロになりません。そのため、柔らかい土に人工芝を敷設する際に適しています。
水持ちと肥料持ちがいいため、下地以外にもガーデニングや園芸用にも向いているのが特徴です。
真砂土
真砂土(まさつち)は、真砂(まさご)とも呼ばれ、花崗岩が風化して土状になったものです。砂状のものは真砂、土状のものを真砂土と分類することもあります。値段は手頃ながら、園芸用や宅地造成、建設工事などさまざまな用途に使われています。
真砂土は水はけが非常によく、人工芝の下地材に適しているため、当社でもよく使っています。人工芝に関する相談があれば、お気軽に当社「もりかわ人工芝」にお問い合わせください。
川砂
川砂は、川の底や河川敷に積もっている砂のことで、花崗岩が水にさらされ、粘土質が落ちて細かくなり角がないのが特徴的です。
大きさは0.25〜2mmほどでとても小さく、園芸や砂場、水槽などにも使われています。公園の砂場をイメージするとわかりやすいかもしれません。
水はけは悪くありませんが、柔らかすぎて固まりにくいため、人工芝の下地にはあまり適していません。同じ砂状のものであれば、山砂のほうが下地材に適しています。
砂利
砂利は、長い年月をかけて自然に丸くなった小石の集まりです。大きな石や岩が砕かれ、川に流されながら角が削れることで砂利へと変化していきます。
砂利のサイズは2〜5cm程度で、ガーデニングでの使用が一般的です。コンクリートやアスファルトの施工時に、セメントに混ぜて使うこともあります。
砂利は人工芝の下地には向いていません。なぜなら人工芝が凸凹したり、砂利が表面に出てきたりして、見た目が悪くなるからです。
すでに砂利がある場所に人工芝を敷きたい場合は、記事内の「DIYでできる人工芝の下地の作り方【砂利の場合】」を参考にしてください。
コンクリート
庭に人工芝を敷設する場合、わざわざコンクリートを選択することはありません。ただ、もともとコンクリートの場所に人工芝を敷く場合はあります。コンクリートは上に人工芝は敷きやすく、下地としておすすめの素材です。
コンクリートは、骨材を結合材であるセメントやアスファルトなどによって固めたものです。強度が強くお得な値段で手に入るため、多くの建築物に利用されています。
床がコンクリートのベランダや庭などに人工芝を敷く場合、下地作りは必要ありません。コンクリート用の両面テープや、接着剤を使い人工芝を固定します。
DIYでできる人工芝の下地の作り方【土の場合】
DIYで土の上に人工芝の下地を作る手順は、以下のとおりです。
- 雑草や石、砂利などを取り除く
- 土を平らにして固める
- 防草シートを敷いて人工芝を設置する
庭に人工芝を敷く際は土の場合が多く、下地を敷く手順の基本的な流れになっています。わかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:庭に人工芝を敷く手順は?費用やメリット・デメリットについても紹介
なおDIYに自信がない方は、当社のような専門の施工業者に依頼することもできます。無料見積もりを随時行っているので、お気軽にお問い合わせください。
1.雑草や石、砂利などを取り除く
まず雑草や砂利などを取り除いて、下地を作る場所をきれいにしましょう。はじめの段階で丁寧に取り除いておかないと、人工芝が凸凹になったりずれたりする原因になるため、重要な作業となります。
雑草が再び生えてくるのを少しでも遅らせたい場合は、確実に根っこから抜き取ることと、作業後に除草剤を巻いておくのが効果的です。天然芝から人工芝への張り替えをする場合は、天然芝が枯れる秋から冬がおすすめです。
2.土を平らにして固める
雑草や砂利など余計なものを取り除いたら、土を平らにしていきます。足で踏み固めたり、ベニヤ板やレンガを活用したりしながら、全体を均等に平らにして固めてください。
効率よく固めたい場合は、転圧機(機械で圧力をかけて土を固める機械)をレンタルする方法もあります。ホームセンターや業者でレンタル可能です。場所を調べる際は「転圧機 レンタル 〇〇(お住まいの地域名)」で検索するとわかります。
3.防草シートを敷いて人工芝を設置する
全体が均等に固まったら、その上に防草シートを敷いていきます。防草シートは、人工芝のつなぎめや端から雑草が生えるのを防いでくれるので、必ず設置しましょう。
人工芝は基本的にお手入れ不要で、雑草さえ生えなければ、ゴミや落ち葉を時々拾う程度で管理できます。防草シートを専用のピンで固定し終わったら、その上に人工芝を敷いて作業完了です。防草シートも人工芝もたるみができないよう、しっかり伸ばしてから設置すると見た目もよくなります。
DIYでできる人工芝の下地の作り方【コンクリートの場合】
DIYでコンクリートの上に人工芝の下地を作る手順は、以下のとおりです。
- ゴミやほこりなどを取り除く
- 人工芝を仮置きして適当なサイズにカットする
- 人工芝専用接着剤を塗って人工芝を設置する
土の場合といくつか異なるので、それぞれ内容を確認して実際にDIYするときの参考にしてください。では詳しい内容を見ていきましょう。
ベランダがコンクリートの場合は、以下の記事を参考に人工芝を敷いてみてください。
関連記事:ベランダに人工芝を敷く方法を解説|後悔しないための手順や注意点も紹介
1.ゴミやほこりなどを取り除く
はじめに、コンクリートの上にあるゴミやほこりなど取り除いてください。コンクリートの場合は、もともと平らな状態のため、ゴミやほこり取りがメインで重要な作業です。
小石によって凸凹ができたり、ゴミや葉っぱなどによって虫が発生する原因になったりするため、丁寧に掃除しましょう。コンクリートは固いので、クッション性を高めるために、専用のクッションマットを使う場合もあります。
2.人工芝を仮置きして適当なサイズにカットする
コンクリートに人工芝を敷設する場合は、接着剤や両面テープを使用して芝を固定します。そのため、設置後の修正が難しく、事前に仮置きをしてサイズを合わせておく必要があります。
仮置きの際は、はがれやすい両面テープを使うのがおすすめです。仮置きをしないまま接着すると、人工芝の向きを間違えたり、ズレて見た目が悪くなったりするので、仮置きは必ずしましょう。
3.人工芝専用接着剤を塗って人工芝を設置する
人工芝の端と接続部に、専用の接着剤(または両面テープを貼る)を塗ってコンクリートに敷いていきます。接着剤を使用しなくても敷くことは可能です。ただズレやゆがみにつながるため、見た目を気にする方は接着剤で確実に固定するのがおすすめです。
設置後に接着剤がはみ出た場合は、固まる前に除去しましょう。放置すると固まって見た目が悪くなります。最後に抜けた芝や小さなゴミなどがあれば、掃除機を使って取り除いて完了です。
DIYでできる人工芝の下地の作り方【砂利の場合】
DIYで砂利の上に人工芝の下地を作る手順は、以下のとおりです。
- 大きな砂利を取り除き平らにする
- その上に人工芝を設置する
手順はとても簡単ですが、いくつか注意点があるので、それぞれ詳しい内容をご確認ください。
砂利の上に人工芝を敷く場合については、以下の記事をご覧ください。
関連記事:砂利の上に人工芝を敷くメリットとデメリットを専門家が徹底解説!
1.大きな砂利を取り除き平らにする
まずは大きめの砂利を取り除いていきましょう。大きさの基準としては、30mm以上のものは取り除いてください。大きい砂利を取り除かないと人工芝が凸凹になり、見た目も悪くなったり、芝の上を歩きにくかったりするなどの影響が出ます。
大きい砂利を取り除いたら、転圧をしてできる限り隙間をなくし平らにしていきましょう。しっかりと転圧することで、透水性がよくなることと、雑草の発生を予防できる効果があります。
2.その上に人工芝を設置する
余計な砂利を取り除いたら、砂利の上に人工芝を敷いて完了です。
基本的には砂利の上に人工芝を敷くのは向いていないため、可能であれば砂利を取り除き、土や砂で下地を作るほうが人工芝は安定します。
ただ小さな砂利の場合は、人工芝の透水性を良くするというメリットがあり、まったく向いてないわけではありません。実際に土の上に人工芝を敷く場合でも、透水性を良くするために小さな砂利を敷き詰めることがあります。
人工芝の下地に関するよくある質問
人工芝の下地に関するよくある質問は、以下の3つです。
- 人工芝を室内に敷く場合は下地は必要ですか?
- 人工芝はどのように掃除すればいいですか?
- 人工芝のデメリットは何ですか?
それぞれの質問にわかりやすく回答しているので、ぜひ参考にしてください。
人工芝を室内に敷く場合は下地は必要ですか?
人工芝を室内に敷く場合でも、下地は必要です。なぜなら、人工芝は裏面にプラスチックの凹凸があるため、そのままフローリングに敷くと床を傷つける可能性があるからです。
また固定することができないため、そのまま敷くと滑りやすく、人工芝が傷む原因にもなります。室内に敷く場合は、固定できるフロアマット用の滑り止めや、人工芝用の下地シートを活用しましょう。
人工芝を室内に敷く場合の対応方法は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:室内に人工芝を敷くメリットは?注意点や敷く際の手順などを紹介
人工芝はどのように掃除すればいいですか?
人工芝は基本的に掃除は必要ありません。ゴミや落ち葉が落ちているときに、時々拾う程度で大丈夫です。ただ土や砂が入り込んだり、ジュースやお菓子などをこぼした場合は、それぞれの汚れに応じた掃除が必要です。
掃除以外では芝生が寝たままになるのを防ぐため、定期的にデッキブラシで芝生を起こしてあげると人工芝が長持ちします。
人工芝の掃除方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:人工芝の掃除方法は?汚れる原因や人工芝を長持ちさせるポイントも紹介
人工芝のデメリットは何ですか?
人工芝には、以下のようなデメリットがあります。
- 費用が高い
- 経年劣化で芝が寝たり抜けたりする
- 準備を怠ると芝がめくれやすくなる
- 火気が使えなくなる
人工芝にはデメリットだけでなく、メリットも多くあります。詳しい内容は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:人工芝を敷く際のデメリットは?5つのメリットやDIYする際の手順も紹介
下地にこだわり人工芝の特徴を最大限に活かそう。
人工芝の下地は、以下のような理由があり重要です。
- 下地の作り方は水はけに影響する
- 下地を正しく作ることで長持ちする
- 下地が安定することでゆがみにくくなる
下地の作り方によって、人工芝のクオリティは大きく左右されます。
人工芝の下地をつくる手順は、以下のとおりです。
【土の上に敷設する場合】
- 雑草や石、砂利などを取り除く
- 土を平らにして固める
- 防草シートを敷いて人工芝を設置する
【コンクリートの上に敷設する場合】
- ゴミやほこりなどを取り除く
- 人工芝を仮置きして適当なサイズにカットする
- 人工芝専用接着剤を塗って人工芝を設置する
コンクリートの場合は、下地を敷設しない場合もあります。
「人工芝の下地は何を敷けばいいの」「業者に頼んだほうがいいの」と気になっている方は、ぜひもりかわ人工芝にご相談ください。
施工したい場所やご要望にあわせて適切な提案を行いますので、お気軽にお問い合わせください。